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眼形成は3Kなのか!? 眼科の中での眼形成のポジション

19.11.22

カテゴリ:医院ブログ

講演会でも少し話しましたが

眼科の中にはいくつも専門分野があります

眼科は眼科じゃないの?

と思うかもしれませんが、

眼科の中にも

白内障

硝子体

角膜

緑内障

など、細かく分かれた専門分野があるのです

例えば群馬大学なら硝子体

各大学が得意とするのはその教授の専門分野であることが多いのですが

3代遡ったところから群馬大学眼科は硝子体で有名なのです

どの組織でもそうですが、お互いをみるのにモノサシが必要ですから

そういうところの価値基準は専門分野でどれだけ出来るか、になることが多いのです

群馬県なら硝子体手術が上手に出来る、

もしくは難症例も手術できる、

もしくは硝子体で論文を書いている

などといったことが、エラいドクターの基準になります

そういう組織では、モノサシに当たらないものは

ゴミのように扱われることがあります

僕が研修医のころの眼形成がそうでした

僕らが行う手術の中に骨を削る手術があります

いまでも鮮明に覚えているのですが

研修医のときに、上の先生がそういう手術のことを「大工みてーな仕事、眼科医のやることじゃねえ」

と蔑んでいました

まだ右も左も分かっていないころなので

単純に「そーなんだ、やるもんじゃないんだ」と思っていました

眼形成は出血もするし、時間もかかるし、手術料も安いので

眼科医がやる必要はない、形成外科医に任せておけばよい、という考えだったのです

眼形成は3K(きつい、汚い、金にならない)と思われていましたし、今も思われているかもしれません

でも、まぶたも眼窩も、視機能と密接に関わっています

手術は視機能を上げるため行うものですから

もしくは手術で視機能が悪くなる可能性がゼロではありませんから

やはりそれらを評価することが出来る人が手術をしたほうが良く

そうなると眼科医がやった方がよい、ということになります

でも日本全国の眼科医からみて

眼形成は3Kだと思われています

だから、やりたい人が少ないのです

全国を見渡すと、ところどころ昔から眼形成をやっていた施設があるのですが

どこもかしこも後継者不足

人がいなくて学会にも、たったお1人で参加

そんな施設ばっかりです

それは眼形成が3Kであり

若者が眼形成で夢を見られないから、だと僕は思います

でも米国は違いました

こんなことがありました

僕が留学して最初の週

硝子体のセクションに行った時のこと

硝子体のDrに言われたのです

「お前、どこのフェローだ?なに?眼形成?いいなあお前、稼げて!はっはっは」

米国では眼形成は

短時間で稼げて、DQOL(医者の生活の質)も高く、患者満足度も高い

3高だったのです

なぜそんな違いが起こるのか

それは米国ではまぶたの手術のほとんどが美容の手術の扱いであり

ヒアルロン酸注入などの自費の美容の注射も行っているため、なのです

フェイスリフトなどの美容の手術は主に眼形成外科医が担っているのです

僕の目標は、ゴミのような扱いをされる眼形成でなく

米国のように皆にうらやましいと言ってもらうような眼形成

3Kではなく、3高の眼形成なのです

そういう未来が来れば、眼形成のドクターは増え

バセドウに興味がある若手も増え

全国各県に眼形成外科医がいるようになれば

患者さんが家具の隙間に落ちることも少なくなるはず

僕はそういう未来のために頑張ろうと思っています

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2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事

オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
http://www.oc-tokyo.com/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/

2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら

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ついに眼症の手術を受ける/甲状腺疾患で涙目、眼球突出に! 50代ライターのバセドウ病眼症闘病記④ 

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